ヨガには、様々な流派があります。
ハタヨガ、パワーヨガ、アイアンガーヨガ、アシュタンガヨガ、陰ヨガなどなど。
その中の一つ、アイアンガーヨガの創始者、B・K・S・アイアンガーの言葉をご紹介します。
人の生き方にも通じる奥深さがあります。
【体の緊張が解けないうちは、単なる身体的なヨガにすぎない。脳が完全に鎮められたときに、本当のヨガになる】
力ずくでアーサナ(ポーズ)を しようとすると、歯の食いしばりや 首や肩に緊張があるものです。
ヨガの不思議なところは、息を吐きながら体を動かすと、無駄な力みもなく、自然に落ちつくところに手が届いたり、 脚が伸びていたりするところです。
呼吸って すごい力を 持っているんだなーと 実感したことはありませんか ?
アーサナの実践を続けていると、少しずつ体の機能が分かるようになり、体の中の眠っていた感覚を取り戻していけます。
一番近い存在である自分の体に、未知の世界が広がっているような繊細な感性が磨かれていきます。
そして呼吸にもうまく意識が向けられるように変わっていきます。
呼吸がおだやかになると心も落ち着き、 体からは緊張が解き放たれて、心身ともに心地よいアーサナを味わえるのです。
いつもの生活でも、力任せに何かをしていませんか?
止まっているかのような息をしていませんか?
時々自分を振り返りましょう。
【 ヨガの規則正しい練習が確固として着実に 人生の荒波に立ち向かうことを可能にする】
日常で、私たちにはつい怠けたり、すぐに諦めてしまう面と 、
後先を考えずにやり過ぎてしまう面を併せ持っています。
人それぞれ、2つが占める割合が違い、それが個性となります。
ヨガは競う相手がいないので 他人との勝ち負けはありませんが、 反対に 自分自身が相手なので 、ゆるくなったり、ストイックになったりします。
やり過ぎると、体と心に無駄な力みが生まれます。
ゆる過ぎると、体と心に、隙や甘えが生まれます。
日常の自分はどうでしょうか?
いつもすぐに諦め、自分を甘えさせていないか。
いつもがむしゃらで無理をしていないか。
ヨガの時間は自分の内面との対話の時間です。
気が張り詰めている人は、ヨガで静かな時間を。
体力や忍耐力がない人は、もう少し頑張ってみましょう。
タフでしなやかな、体とメンタルを目指して。
【 私たちの体は 幾何学的な美を表現することができる。ヨガは シンメトリーである。】
より安定した 快適なアーサナを行うには、骨格を正しい位置に持っていくことが求められます。
基本がしっかりとしたアーサナは、怪我を防ぐだけでなく、その人ならではの美しさも引き出してくれます。
アーサナを正しく行うには、 体の部分部分、 つまり、 膝の角度、 足を伸ばした時の股関節の動き、 腕を伸ばした時の肩関節の動き、 そして 胸部を開くときの肩甲骨の位置など、 一つ一つをしっかりと心身の目をひらいて観察することが大切です。
私がアライメント(姿勢)にこだわるのは 、こうした身体の調整や矯正を目指しているからです。
自分の体を観察し、骨組みをどのように構築していくかを考えてアーサナを行います。
その過程がなければ 、安定感の悪い、存在感のない、気の抜けたアーサナになってしまいます。
体の左右のアンバランスは、右側ばかりで鞄を持ったり、片足に体重をかけて立ったりする日常の癖によって生じがちです。
しかし、体の本質を理解して、左右同じように進化させることによって、徐々に歪みを解消することができます 。
もちろん、顔のパーツが左右微妙に違うように、体も完璧な左右対称にはなりませんが、
特に立位のポーズでは 、正しい骨格の位置を考えながら行ううちに、 左右の片寄りが矯正されていき、シンメトリーの美しさへと近づいていきます 。
ヨガはまさに 自分でできる1人整体術なのです。
そして左右のバランスだけではなく、ヨガで大事なのは、体と心と呼吸、この全体の「調和」です 。
基礎を徹底して 、外見だけではなく、内面も調和させることで、美しく力強いアーサナは生みだされていきます。
それは、その人自身の存在感にもつながっていきます。
【漠然とした 未来や過去に生きるなかれ。
実在する「今」を生きよ。】
未来を空想するばかりで、現実に行動することから逃避したり、諦めたり、やる前からまだ見ぬ未来に不安感ばかり抱いたり、過去ばかりを振り返って思い悩んで生きるのはやめなさい 。という言葉。
ヨガの実践は、日常での「今の自分」をしっかりと見据える訓練です。
アーサナを 全身全霊で取り組むとき 、私たちは今の一瞬一瞬に集中しています。
他のいろいろなことを考えていては、良いアーサナはとれませんよね。
「今の自分」にすべての神経を集中させた状態で、昨日よりも良いアーサナを目指して一つ一つのパーツを積み上げていきます。
日常生活でも、
私たちが直面している「今こそが現実」であり、
この一瞬一瞬の積み重ねが より良い未来を作り上げていくのです。
今すべき目の前のことを、地道に一歩一歩やり遂げていきましょう。