同じ年齢でも加齢が目立つ人と、そうでもない人、不調がたくさんある人と、そうでもない人がいます。
その原因は、「背骨の老化」です。
背骨の年齢は、必ずしも実年齢と一致しません。
実は、人間の骨格で最も早く老化するのは「背骨」と言われており、早ければ20才で老化現象が現れます。
背骨の老化は、実に様々な不調を引き起こします。
肩凝りや腰痛だけでなく、
頭痛や、内臓の不調である便秘、冷え、
そして、メンタル面など、
直接関係がなさそうな症状まで背骨と係わりがあります。
背中を壁につけて立ったときに、後頭部、肩、みぞおちの裏側、お尻、かかとが壁につかない人、
おへその裏側が壁につく人は背骨の老化がはじまっています。
また、仰向けになり膝を抱えて床の上に丸くなって縦に転がった時に、背骨が痛くて転がれない人は、すでに背骨の老化がすすんでいる可能性があります。
ほかにも、体を後ろに反らすのが苦手、
前に曲げるのが苦手、ねじるのが苦手、
横に側屈するのが苦手、
原因は分からないけどいつも腰が痛い、
立ちっぱなしがつらい、
アゴや肩が前に出る、
すべて背骨の老化が始まっています。
健康な背骨の条件は、安定性と可動性です。
安定していて、かつ自由に動けること。
一見、相反するようにも見えますが、両者をバランスよく備えていることが大切です。
安定性とは、体を支えられるインナーマッスル、いわゆる体幹がしっかりあること。
必要最小限のエネルギーで姿勢をキープでき、周囲の筋肉にも負担がかかりません。
スロートレーニングや、姿勢をキープすることで鍛えられます。
リンパマッサージなどは寝たまま楽に人から流してもらう方法もありますが、
悲しいかな、
この体幹は自分が頑張らないと鍛えられません。楽しては鍛えられないのです。
筋肉を鍛えると筋繊維が太くなり出します。
年齢とわず、80歳からでも鍛えれば太くなると証明されていますが、
おそろしいほど、30代後半から筋繊維自体が急激に減少していくので、早い時点でトレーニングを開始した方がベスト。
少しでも沢山残っている今のうちに、細い筋繊維を太くして体幹を作っていきましょう。
健康な背骨である、もうひとつの条件、可動性とは、背骨ひとつひとつが連動してスムーズに動かせ、動かしづらい箇所がない柔軟な背骨であることです。
柔軟性が落ちると、
動かしやすい部位ばかりに負担がかかり、結果としていい場所までが障害を引き起こします。
ちなみに、椎間板という軟骨は、20歳を過ぎると血管からの栄養供給がなくなります。
関節を動かすことで周囲の血管からじわっと血液が染みだし、関節に栄養が染み込んでいくので、動かさないとギシギシときしむ関節に。
動かすと痛いので、さらに動かさないという悪循環に陥り、ついに関節は動かなくなります。
だから、運動がとても大切。
しかし、運動がいいからと、やみくもに伸ばしたり、動いたり、がむしゃらに筋トレしてはいけません。
やり方を間違えると、健康のためにしていた運動が、
逆に関節を痛めて将来動けない体にしてしまうかもしれません。
安全を最優先してください。
自分の体の柔軟性や関節や筋力を確認しながら、じっくりと安全に動くのがとても大切です。
ゆっくりの動きの中で、自分の動きを観察することを続けると、
今まで自分でも気がつかなかった動きのくせや、筋肉のつき方のアンバランスさ、動きの悪い箇所など、いろいろなずれに気がつけるようになっていきます。
こんなにずれているから不調になるのです。
ですので、早い動きの運動をする方は、ヨガの時以上に動きに気を付けてください。
早い間違った動きでよけいにズレを大きくしてしまうので、終わったあとは必ずメンテナンスを。
自宅でメンテナンスする場合、
体は柔らかいけど筋力がない方はスロートレーニングを、
カチカチの筋肉質の方はストレッチをするなど、自分の苦手と感じる運動をして中庸に近づけましょう。
私は、
ヨガ、ピラティス、運動解剖学、経絡、リンパ、メンタル医療などをまんべんなくミックスして、バランスよくからだ作りできるようなレッスンにしてますが、
気持ちがよいばかりではなく、多少?ハードな部分もあり、みんなヒーヒー言ってますが(笑)、
体の柔軟性と体幹を鍛えるためです。
何十年もかけて崩れてきた体なので、
簡単に魔法みたいには元に戻りませんが、
体が老化に向かって急降下しないように、
ヒーヒー言いながら継続して頑張りましょう(笑)